1冊書評 PR

文章は感情が大切なことを”体験”で教えてくれる本『文章で伝えるときいちばん大切なものは、感情である。』pato (著) アスコム

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爆笑しながら読めるのに、ふと自分の文章を振り返ると絶望してしまう。けど、読み終わると絶望の先が見える不思議な文章術本に出会いました。

これを見て「ハッ?ちょっとなに言っているのかわからない」という人はレビューをどうぞ。読まないと損するレベルに仕上げてます。

この本をひとことで言うと?

文章は感情が大切なことを「感情が動く体験」で教えてくれる本

本の概要

累計5000万PVを超えるテキストサイト「Numeri」を運営するpatoさんの文書術本。これ、ただの文章術の本ではありませんでした。「1文は短く」とか「主語と述語は近く」とか、文章の型を教えてくれる本はたくさんありますよね。この本は違いました。

「文章で大切なことは感情である」本書で一番伝えたいことはタイトルに込められていました。

人って感情で動く生き物って言いますよね?文章は人が読むもの、だから感情が大切であること。それを著者patoさんによるありのまま(+爆笑)エピソードで語ってくれています。

研究論文とかそういった借り物ではなく、経験なんです。22年間、1300万文字を書いてきたから出せる本なのだと思える本でした。

本書の骨組みともなるのが「書けないという絶望」「届かないという絶望」「伝わらないという絶望」文章には、この3つの絶望があること。

著者自身も”書けなかった”経験。3つの絶望に共感しつつも、22年の経験から生み出された文章に没入している自分がいる。

そんなものを読まされるものだから、ふと「自分の文章は?」と振り返ると絶望を感じる。でもその先がある。抜け出せるように背中を教えてくれます。

本書からの学び

「じゃあどんなことが書いてあるのー?」と思いませんでしたか?わたしが言いたいのは「気になったら読むのが一番」です。

本書のエッセンスにも価値はありますが、そもそも文章自体に読む価値があります。これほど要約するのがもったいない本はありません。

それを踏まえ、本書の解説をしようと思いましたがやめました。そもそも文章自体に価値がある本を解説しても、良さは伝わらないと思ったからです。

その代わり、私の心が動いた3つのポイントを抜粋して紹介します。読めば、この本の雰囲気は伝わると思います。

心が動いたこと①「書くことが目的化されていく落とし穴」

文章力を鍛えるには、「とにかく書くこと!」って思ってませんか?ドキッとした人は、次の文章を読んでほしい。

よく、文章力をつけるために毎日ブログを書きます、みたいな人がいる。とてもいい心がけなのだけど、おそらくそれでは文章力はつかない。なぜなら、そういう人の大半は、続けることが目標になっていき、書くことが目的化されていくからだ。そうなるとあまり考えずに、筋トレでいうところのティッシュを持ち上げて上下運動する行為に近い。これではほとんど筋肉にならない。

『文章で伝えるときいちばん大切なものは、感情である。 読みたくなる文章の書き方29の掟』 P87から引用

「文章力を上げるためにはとにかく書きまくれ」に対するアンチテーゼがほどよく刺さり、改めて書くことに対する認識を改めるキッカケになりました。

本書にはその対策として、「多くのパターンの文章を書き、適切な負荷をかけましょう」との記載。すぐに身につくものではないのは筋トレと同じで、文章も何度も練習の必要があるもの。(具体的なパターンの事例は本書で)

あと、「ティッシュを持ち上げて上下運動する行為」って…。どうやったらそんな斜め上の例えが出てくるんでしょうか。想像したら笑いが止まりませんでした。

心が動いたこと②「何か読む動機がない限り、人はそれを読まない」

当たり前ですが、動機がないと読もうとは思いませんよね?ではどんな種類の動機があるか?列挙されてました。

ここでわたしが考えたのが「この本には”読む動機”があるのか?」ということ。ひとつひとつ考えてみました ↓


読む動機:書いた本人に興味がある

→人気ライターであり、興味がある人は多いはず。そして本書を読むと興味がわく人も多いはず!(私もその1人)


読む動機:斬新な切り口の意見がありそう

→まさに文書で多くの人の感情を動かすpatoさんだからこそ、期待感は高いと思います


読む動機:興味がある分野のことが書かれていそう/新しい知識が得られそう

→ブログやX(Twitter)、ライターとして活動している人は興味のある分野であり、新しい知識が得られそうと思うのでは


読む動機:とにかくおもしろそう

→この文章を知ったら期待せざるを得ない…!!!


読む動機:評判がいい(たくさん拡散されている)

→著者patoさんは累計5000万PVを誇るテキストサイトを運営している

結果、この本を読む動機しかありませんでした。本にある説得力はこのような所でも出てくるのですね。

SNSでもブログでも、文章を読まれるには「動機」が必要ですね。このX投稿も、理由があり読んで頂けていると思います。あなたの得になっているでしょうか….?

心が動いたこと③「ただひたむきに、自分を疑いながら書く」

「これって本当におもしろいか?」という疑問だ。この疑問はかなり正しい。むしろこれが生じない過程で生まれたものは疑ってかかるべきだ。なぜなら客観性を失いながら制作した可能性があるからだ。そうやって作られたものは往々にして多くの人に届かないからだ。

『文章で伝えるときいちばん大切なものは、感情である。 読みたくなる文章の書き方29の掟』 P227より引用

この文章を読んだとき、「いまの私だ…」と心の中で叫んでしまいました。

いま執筆中の読書術の本、ほぼ書き終え、わたしとしては良いものだと思ってはいます。しかし、「本当にそうなのか…」と疑う自分もいます。別に笑いをとりたいわけではありませんが、「おもしろい」「役に立った」と思ってもらえる文章が書けているか…?

そう感じてもらえるよう、なんども見返していきたい。(発売したら読んでね)

最後に

文章本はすでに数多く存在します。でも感情を語っており、体験をさらしている本はすくない。そういった意味で本書は希少な本です。

ブログやSNS、ライターなど、不特定多数に向けた文章を書く人に。あと、シンプルに笑いたい人におすすめの本です。

著:pato
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