こんにちは!ぶっくまです。
今回は250万部の超ロングセラー「思考の整理学」外山滋比古著 を解説と私の考えを書いていきます。
本記事の“最後に”最も重要なことが書いてあります。読んでいただけると嬉しいです。
- 考え方を学びたい人
- アイデアマンになりたい人
- 考えに行き詰まる人
- 「思考の整理学」の概要を知ることができる
- 考えることや考えを整理する重要性を知ることができる
- ぶっくまが本を読んで何を考えているかがわかっちゃう
本書をざっくり紹介
突然ですが質問です。
「あなたは自分で考え、行動していますか?」
Yesと自信を持って答えられる人はこの記事を閉じてもいいでしょう。
自身がない人はぜひ本記事を読んでいただきたいです。
1986年発行以来、売れ続けて250万部を突破した不滅のロングセラーです。なにを読んでいいかわからない方はこのような名著を読むことをオススメします。ハズレを引く確率はグンっ!と下がります。では早速行きます。
この本をひとことで言うと
自分で考え、整理することは創造性を生む
最初の質問に戻ります。
「あなたは自分の考えで仕事をしていますか?」
「ただ考えろ!とはいっても何をどう考えていいかわからない!」そんな声が聞こえてきそうです。
そんな人のために、自分で考える方法や考えを整理する方法、発想の仕方まで著者の考えが詰まった1冊となっています。
1986年。この本が出版された時、コンピュータが出始めた時代でした。
そんな時代に人間の役割はコンピュータに置き換えられるのではないか?
では置き換えられない人はどんな人か?
それには自分の頭で考え飛び立てる人になることが大事だと当時から危機感があったのだと感じられます。
現代でいうとAIが台頭してきており色んな職業が代替されてしまうのでは?という流れにかなり似ています。
時代は繰り返されるというのがわかりますね。
では一体どんな内容が書いてあったのでしょう。次章から私の考えとともにご紹介します。
厳選:本書の3つのポイント
自分の頭で考えられる人間の重要性がわかる
人間には、グライダー能力と飛行機能力とがある。受動的に知識を得るのが前者、自分でものごとを発明、発見するのが後者である。
引用:思考の整理学 13ページ
つまり
グライダー能力 ・・・ 学校などで受け身な学びを得る能力
飛行機能力 ・・・ 自分で考え発見する能力
グライダーは風を受け飛び立てるが風がないと飛ぶことはできない。それは決められた問題を解決する能力に近いと思います。学校教育でいうところのテストにあたります。
一方飛行機は自分のエンジンで飛ぶことができる。ということ。これは自分で問題を見つけ解決する能力に近いですね。
またこのようにも言っています。
学校はグライダー人間をつくるには適しているが、飛行機人間を育てる努力はほんのすこししかしていない。
引用:思考の整理学 13ページ
これは私の学生時代もそうでした。学校で決められた問題に答えればいいからそういった勉強しかしてきませんでした。
ほぼグライダー人間でした。飛行機能力を育てる環境はほとんどなかったと記憶しています。
そんな学校教育で、社会に出たら急に自分の頭で考えるような出来事に多く直面します。
これでは成績の良し悪しは関係ありません。
頭がいいからって必ずしも仕事ができるわけではない。とよく言われますがそれはグライダー能力が高かっただけだと今では思います。
著者は、「社会で生き抜いていくには、グライダー能力もそうだが、飛行機能力も必要」だと訴えかけていきます。
グライダー能力を否定しているのではなく両方必要だと言っているんですね。
アイデアを生み出す方法
著者はアイデアを構成する要素をビール作りに例えています。まずはこれを読んでほしいです。
他人と雑談していて、思いもかけないヒントが浮かんでくることもある。読書、テレビ、新聞など、どこにどういうおもしろいアイディアがひそんでいるか知れない。このヒント、アイディアがビール作りなら酵素に当る。
引用:思考の整理学 31ページ
素材の麦と同類のものではいけない。異質なところからもってくるのである。
引用:思考の整理学 32ページ
“寝させる”のである。ここで素材と酵素の化学反応が進行する。
引用:思考の整理学 32ページ
つまりアイデアを生み出すのはビール作りと同じということです。
式にするとこのような感じです。
アイデア(ビール)=知識(素材)+きっかけ(酵素)+時間(寝させる時間)
アイデアを生み出すには異なる分野の知恵から持ってきたり、海外から持ってくることが往々にしてある。それと同じですね。
例えば世界を席巻したアップル社の製品もいろんな技術を組み合わせて作っています。
技術という素材と、禅の考えを元にした無駄をそぎ落としたシンプルなデザインという酵素をつぎ込み、アイデアを生み出したのだと思います。
ここでのポイントは酵素はまったく異質なものから持ってくるということ。
この例でいうと、最先端技術と禅を組み合わせているところですね。
異なる分野の知識が酵素になりえるということに繋がる。
狭い分野しかしらない専門家ではこの酵素が足りずに頭が固くなっていく。
柔軟な発想はいろんなことに興味を持つことだと改めて思います。
また、”寝させる”というのは、知識やきっかけがあってもすぐにはアイデアとされないということです。著者は時間が立つと自然と発酵していくのだと言います。
これは私の体験ですが、読書など、日ごろからインプットをしているとふとした瞬間に閃くことがあります。
例えば下記図解の2枚目を見てください。
スマホが手放せない人へ pic.twitter.com/GTgz2CYZYO
— ぶっくま|読書ハック図解 (@Book_Meyer) July 10, 2021
これは
「嫌なものは習慣には嫌いなものを遠ざけるのが良い」
という知識から
「余計なアプリは削除したり見えない所に配置する」
「既に習慣になっていることをセットで行うのが良い」
という知識から
「スマホが習慣になっているならそれを利用する」
このような考えから導き出した方法です。
2つの知識は既に知っていたことでした。きっかけをくれたのはとある図解を見たときでした。
こういったアイデアは知識を吸収している時にはインプットに意識が向いているため、閃くことはありません。
しかしシャワーを浴びているときや散歩をしているときなどに突然閃くことがあります。
これが時間をおいて発酵させるプロセスなのだと思います。
忘れることも大事であるということ
著者は「忘れることも大事である」そう言っています。
これまでの教育では、人間の頭脳を、倉庫のようなものだと見てきた。知識をどんどん蓄積する。倉庫は大きければ大きいほどよろしい。中にたくさんのものが詰まっていればいるほど結構だとなる。
引用:思考の整理学 111ページ
この頃も詰込み型の教育を問題提起されていたことがわかります。その上で
その渦中の人は、あまりのことに、あれもこれもいろいろなことが一時に殺到する。頭の中へどんどんいろいろなことが入ってきて、混乱状態におちいる。茫然自失、どうしていいかわからなくなる。これが「忙しい」のである。「忙」の字は、心(りっしんべん) )を亡くしていると書く。忙しいと頭が働かなくなってしまう。頭を忙しくしてはいけない。がらくたのいっぱいの倉庫は困る。
引用:思考の整理学 113ページ
「読書しても覚えておきたい」「勉強した内容を忘れたくない」といった発言が多い中で新鮮な考え方ではないでしょうか。
「記憶ばかりしていては考える余裕がなくなってしまいますよ。考えましょう。」そう訴えているのだと思います。
これはやみくもに忘れるというわけではなく、脳に考える余裕を与えるためには忘れるということ。
図で表すとこのようなイメージですね。
ただしなんでもかんでも忘れていいというわけではなく、重要なことは記憶し、どうでもいいことは忘れていいということ。
これはミニマリストに似た考え方ですね。
部屋の物も本棚もなんでも詰め込めばいいってことではない。
断捨離も必要ですし、必要なものを必要なだけ入れればいいということです。
ではどんなことを覚え何を忘れればいいのか。
私の考える重要なこと、重要でないことは次の4つです。
覚えておくべき知識、情報
【自分にとって重要なことは記憶する】
これは説明するまでもないです。自分にとって重要なことはすぐに取り出せるよう覚えておいたほうがいいでしょう。
【自分にとってそれほど重要ではないが気になること】
この情報に対して重要なのは「インデックスを記憶しておくこと」です。
知識のあるなしで一番重要なのはどこにどんな情報があるかを知っていること。それをインデックスと呼んでいるのですが、これがわかっていれば必要な時に最短で情報を取り出すことができます。読書をしているのもインデックスを記憶する作業なのだと思います。
忘れるべき知識、情報
【情報の賞味期限が短い】
その日その時にしか役に立たない情報は忘れても全く問題ないですね。例えば今日の天気やトランプの神経衰弱での何がどこにあるかの情報等は”その時”しか役に立ちません。おそらく意識しなくても自然と忘れる内容ですよね。
【ネガティブな情報、自分には変えられない悩み】
悲惨なニュースなどのネガティブな情報や”自分では変えられない”悩みは記憶するだけで害があります。これらはむしろインプットしない方がいいくらいです。
最後に
ここまで読んでいただき本当に嬉しいのですが、1点だけ質問があります。
「この記事を読んで考えることをしましたか?」
この本が本当に伝えたいこと。それはあとがきに書いてあります。
自分はどういう考え方をしているのか、ということを意識するには、ほかの人の型に触れるのが有効である。この本がそういう意味でいくらかでも読者の役に立てば幸いである。だいたい、思考とか、思考の整理について、かんたんに方法を教えることは困難であると思っている。したがって、この本も、技術や方法を読者に提供しようという意図はもってない。いわゆるハウツウものにならないようにしたつもりである。
引用:思考の整理学 217ページ
著者はこの本をハウツー本とはしていないということです。あくまで1つの意見として聞き、改めて自分はどういう考えをしているのか気づいてほしいという著者の願いがあったのです。
答えだけを求めるのではなく自分の考えをもって読書をするのも思考を整理する上で重要なことですね。
世の中にはハウツー本が溢れています。それも良いと思います。最短で答えに辿りつける本は裏技的ともいえますからね。
でもたまには思考を巡らせられるような本や著者の考えを知り自分の意見をぶつける読み方も重要なんだと改めて思います。
- 自分の頭で考える人になれ
- アイデアは知識(素材)+ヒント(酵素)+時間
- 忘れることも大事であるということ
- 他人の意見を聞くことは自分の考えに気づく方法である
ここまでお読みいただきありがとうございます(2回目)
おすすめの本なのでぜひ読んでみてください。
今後もTwitterやブログを通じて読書や書籍に関する発信をしていく予定です。
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