あなたは読書から学び、成果につなげることはできているでしょうか。
「読んだ内容が思い出せない」
「読んだけどなにも変化してない」
そんな人は費用で終わる読書をしているかもしれません。
私も読書をはじめた頃は費用で終わる読書をしていました。どうせなら捻出した時間は資産として積み上げていきたいですよね。
ではどうやったら資産に変わる読書ができるのか?そんな本が出てきてくれました。
「でも読書術の本って他にもあるでしょ」というかた、本書は他の読書術本にはない方法が提案されています。
著者プロフィール
- 著者名:本山裕輔(もとやま ゆうすけ)
- 株式会社グロービス勤務
- 慶應義塾大学商学部卒
- 音声メディアVoicy「ちょっと差がつくビジネスサプリ」のパーソナリティ
- オンライン動画サービス「グロービス学び放題」に出演
- ビジネス書の書評サイト「BIZPERA(ビズペラ)」を運営し月8万PV
超エリートな経歴の持ち主です。会社でも個人でも結果を出されており、デキる方なんだろうと想像しました。
著者が運営しているビジネス書の書評サイト「BIZPERA(ビズペラ)」は見やすいデザインにわかりやすい本の解説もあり、選書にも役に立ちそうです。早速ブックマークしました。
サイトはこちらになります。
本書の「はじめに」と「おわりに」が公開されていました。興味をもったかたは上記サイトをのぞいてみてください。
「投資としての読書」概要
「費用で終わる読書ではなく、資産に変わる読書」読書を独学の1手段と捉え、投下したリソースに対し、リターンを得る読書術を解説した本です。
「でも読書術本って他にもたくさんあるでょう?」というかたのために他の本とは異なる点を紹介します。
数ある読書術とは違う点
- 独学の全体像から読書術を解説している
- アウトプットありきの実践的な読書術が学べる
- 読んだ本を資産化できる
本書は読書を「独学の1つの手段」と捉えており、独学の全体像から読書術を語っています。いきなりインプットをはじめるのではなく、全体を把握してから実践に移していく。読書術は手段と捉えおり、高い視座を感じます。
主な読書術は下記3点
- 最短でスキルを獲得できる「アウトプットありきの独学サイクル」
- 成果は読む前に決まっている「二刀流選書術」
- 本の要点を一瞬でつかむ「ペライチ整理法」
上記以外に、「私の「資産本」コレクション」という章もあり、著者のおすすめ本を知ることができます。
必読ポイント「アウトプットありきの独学サイクル」
本記事は「アウトプットありきの独学サイクル」のみに着目し、私の体験談を織り交ぜながら紹介していきます。
他の内容ももちろん学びがありましたが、わたしが驚いたのは、「アウトプットありきの独学サイクル」でした。正直、この方法を知ったときは目から鱗が落ちましたね。
「アウトプットは大事」何度も使われていた言葉ですが、大抵は「インプットしてからアウトプット」の順で取り組んでいませんか?でもこの方法は違うんです。
アウトプットしてからインプットするんです。
著者曰く、インプットしてからのアウトプットでは「準備ができてから…」と思ってしまい、どんどんアウトプットから遠ざかっていきます。
本などから学ぶとわかるのですが、「知らないことを知り、更にインプットしたくなる」この気持ちは良く分かります。
ここからは本書の引用を踏まえて、私のTwitterでの図解を学んでいった経験から思ったことを好き勝手に書いていきます。
では効率よく学ぶにはどうすればいいか?本書では次の3つの条件を満たす必要があると言います。
本をスキルとお金に変える 投資としての読書| 本山裕輔 (著) P26
- 目の前にアウトプットの機会が設定されている
- 今の知識量やスキルでは、期待されているアウトプットは出せない
- ①と②のギャップをうめるために、インプットする必要がある
私が思ったことは2つありました
この方法が合うのは「付随する行動が明確なもの」
例えば仕事では、プレゼン、交渉、ファシリテーション、議事録作成、マネジメント等々、行動が明確であればあるほど向いていると思います。
自分ごととして学びに取り組める
アウトプットの場があるだけで「当事者」になれるんです。よく「当事者意識が大事」と言いますが、自分が当事者になる(自分ごと)のがもっとも効率の良い方法だと経験からも思います。
私の過去のアウトプット機会を思い出すと、Twitterでの図解ツイートですね。
そこで本記事ではTwitterでの図解を学んでいった過程を「独学ありきのアウトプットサイクル」に当てはめていきます。良かった点や出来ていなかった点も含めて書いていきますね。
過去を思い出したとき、無意識のうちにこのサイクルに近いことをしていたのを思い出します。当時はまだフォロワー1000人台だった頃、拡散力も皆無でしたが、今ではフォロワー2.5万人、Twitterでの図解がフォロワー増加に大きく貢献しました。
最初は知識無しで始めたため、本書の通り、まさにアウトプットから始めていました。
課題というのは、アウトプットしてみないと見えてこないんです。例えば、「ツイートが拡散されない」「図解クオリティが低い」「どんなネタで発信すればいいかわからない」等々、アウトプットで明確になっていきました。
理想と現実のギャップを体感していれば、インプットする際にも吸収しやすいし、更なるアウトプットにも直結します。
では具体的にどんな手順で進めていくか?本書では次の手順で解説しています。
独学のステップ
①新たに得たいスキルを決める
②アウトプットの機会を作る
③アウトプットする
④周囲からのフィードバックを収集する
⑤必要な情報をインプットする
⑥成果創出・スキルアップしながら再投資する
本をスキルとお金に変える 投資としての読書| 本山裕輔 (著) P34
①新たに得たいスキルを決める
「自分がすでに持っているスキル・経験を横展開できる分野のスキル」を身につける
本をスキルとお金に変える 投資としての読書| 本山裕輔 (著) P35
アウトプットの機会を得やすいという観点では、「転職と副業のかけ算」(moto著)で紹介されている業種か職種のどちらかを変えて転職する”軸ずらし転職”に考え方が似ていると感じました。
得たい状況を作るには、得意なことを土台にしたほうが機会を得やすいんですよね。
一方、Twitterは無料なので誰でも始められる反面、やめるのも簡単なのは注意が必要。継続力や行動力が問われる環境では続ける工夫が必要です。
ここから言えることは、逃げられない環境、つまり強制力があったほうが確実に成長できることですね。
ちなみに私はなぜ図解を始めたかと言うと…当時から読書系の発信をしており、武器が欲しかったからですね。日頃から読書習慣があったのが功を奏しました。
②アウトプットの機会を作る
①本番(仕事)でアウトプットする機会を作る
②練習でアウトプットする機会を作る
本をスキルとお金に変える 投資としての読書| 本山裕輔 (著) P38
わたしの場合は、Twitterでの発信をアウトプット機会としていました。仕事ではないですが、スキルを使う場としては同じですね。
③アウトプットする
はじめて図解を作成したときは、なにも準備せずとりあえず始めたんです。だからこそ理想と現実のギャップは凄まじいものがありました。
ちなみに初めて投稿した図解ツイートは↓
最近投稿した図解ツイートは↓
全然違うと思いませんか?ちなみに初めての図解作成のあと、2、3図解を見よう見まねで作成しましたが、残念な結果で終わっています。アウトプット後には課題点から次のステップに進んだほうが効率が良いと、今この本を読み、思い出しました。
④周囲からのフィードバックを収集する
アウトプットをしたあとは、周囲からフィードバックを集めていきます。なぜフィードバックを得る必要があるかというと、1人で学ぶだけでは気づけないこと、気づきにくいことがたくさんあるからです。
本をスキルとお金に変える 投資としての読書| 本山裕輔 (著) P41
Twitterでの発信は「リツイート」や「いいね」、「インプレッション」等の数値で返ってくる仕組みで、これがフィードバックの1つにあたります。
具体的には次のものが課題として見えてきました。「ツイートが拡散されない」「図解クオリティが低い」「どんなネタで発信すればいいかわからない」アウトプットを先にしていたからこそ、課題が明確になり、効率的な学習ができたと実感しています。
ただし、当時は他者の視点でのフィードバック、この部分が足りなかったと振り返って思います。家族には見てもらいましたが、欠けている点は自分で見つけていきましたね。
今やるとしたら、コンサル等の有識者からのフィードバックを得るのは成長への近道です。
⑤必要な情報をインプットする
この段階ではじめてインプットをします。5段階目でようやくです。なぜこの段階まで引っ張るかというと次の内容が記載されていました。
すでに疑問点が具体的になっているので、その個所に絞って本や動画に目を通せば十分だからです。
本をスキルとお金に変える 投資としての読書| 本山裕輔 (著) P43
ここまでで次のように課題が明確だったので1つずつクリアしていきました。
「ツイートが拡散されない」→Twitter運用のコンテンツから学ぶ
「図解クオリティが低い」→デザイン本から学ぶ
「どんなネタで発信すればいいかわからない」→拡散されている図解ツイートから傾向を分析する
ちなみにデザイン本は次の2冊を参考にしています。
⑥成果創出・スキルアップしながら再投資する
独学のステップ③~⑤の「アウトプット/改善」「周囲からのフィードバック収集」「必要な情報のインプット」のサイクルを回していくと、次第にスキルが上がり、成果が大きくなっていきます。
本をスキルとお金に変える 投資としての読書| 本山裕輔 (著) P44
ここまで来たら、あとは地道に積み上げていきます。日々のアウトプットと振り返り/改善を回し、今では2.5万人とつながることができました。
サラッと書いていますが、最初は苦労しましたね。継続と改善のサイクルの大切さを身をもって実感しています。
条件によりますが、スキルを得るのは⑥を1回や2回でなく、少なくとも10数回まわしていく必要があるというのが私の経験から言えることです。
すぐにできるなんて稀であり、現実を直視し地道に歩んでいける人が伸びていきます。
以上、私の経験に当てはめて好き勝手に書いてきましたが、本書ではより的確な解説、理由(および裏付けとなる理論)、具体例も書いてます。実践してみたい人は本書を手に取ってみるのをおススメします。
まとめ
- 「投資としての読書」とは投下した時間やコストを資産として築く読書術
- 独学の全体像をおさえた上で、読書術を学ぶことができる
- アウトプットを起点とすると学びの効率は爆上がりする
そのほかにも、成果は読む前に決まっている「二刀流選書術」や本の要点を一瞬でつかむ「ペライチ整理法」も学びがあるはずです。ぜひ本書を手に取ってみてください。